2021年にみたもの感想

毎年書こう書こうと思いながら1度も書いたことがない1年分のオタク総括ブログ。今年のことは特に、いろいろ忘れちゃう前にちゃんと書き残しといたほうがいいなと思ったので久しぶりにブログを書きました。2020年から2021年夏くらいまでは特に表立って現場の話をするのも憚られたりしていてろくに感想を捻出できていないので、簡単だけどそれぞれの感想も。感想は短いけど40作品くらいあるので記事は長いです。感想は全て個人の主観な上ところどころただの日記です。ネタバレ配慮はなし!!

 

 

2021年みたもの一覧(大体)

1月→テニミュポーの一族月組WELCOMETOTAKARAZUKA/ピガール狂奏曲(ライビュ)

2月→花組NICE WORK YOU CAN GET IT・M1ツアー2021

3月→星組ロミオとジュリエット(A・B各1)・未来記の番人(東京2・名古屋1)・屋根の上のヴァイオリン弾き・フォリーズ(NTL)

4月→未来記の番人(大阪5)・花組アウグストゥス/COOLBEAST・白昼夢・エリザガラコン14年花組版(ライビュ)

5月→スリルミー(配信)

6月→A.B.C-Z BFK(名古屋2)月組桜嵐記/DreamChaser・宙組シャーロック・ホームズ/Delicieux!

7月→CLUBSEVENZEROⅢ・ロミオ&ジュリエット×2・フェイクスピア・CuttingEdgeKYOGEN・BFK(大阪1)

8月→テニミュ4th不動峰・フォーティンブラス×3・月組桜嵐記/DreamChaser(配信)

9月→ジェイミー・雪組CITYHUNTER/FireFiver!・BFK(奈良)・DROP(配信)・4DXモンテクリスト伯

10月→星組柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!×4・キルミーアゲイン・雪組CH新公

11月→いのち知らず・OctoberSky・AllForLove(配信)・まほステ(配信)

12月→花組元禄バロックロック/TheFascination!・オリバー!・ジャニーズ伝説2021・MOTHERLAND・星組柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!(配信)・夜中に犬に起こった奇妙な事件(NTL)

 

現場じゃないけど配信とNTLも。

 

◆1月

【日記】2020年末はしっかり引きこもってたのに年始から新テニミュみとる!!!まぁ年末年始にメルパルクでテニミュをみるのは初詣みたいなもんだからさ…。

 

・(舞台)ミュージカル「新テニスの王子様」The First Stage

テニミュ面白かった!!!新テニのインフレしきった異常な試合を役者の身体を借りて再現するとこんなに熱く面白くなるのかと!ネタ化しちゃってる原作の展開の一つ一つに新鮮に熱狂して感動させられた~~原作の面白さを再確認しながら、原作の奥行をたっぷり感じられる2.5次元舞台って素晴らしいっすね…。

 

・(舞台)ポーの一族

明日海さんの人外っぷりにビビりつつ、ミュージカル門外漢の千葉雄大さんが本職ベテランに囲まれて演じたアランが極上でした。役者がおかれた環境によって炙りだされてでてくる独特の魅力ってあるよねぇ。役と役者の環境を重ねるような配役の是非はあるけど、ヒリヒリと切迫した苦しさがあるアランで個人的には大変よかったです。この千葉アランの存在感は今しか出せないだろうな…逆に明日海さんは10年後もエドガーできそう。

 

 

・(ライビュ)WELCOMETOTAKARAZUKA/ピガール狂騒曲

例年であれば年末で公演を終える東京公演が三が日まで公演を続けて舞台上で疫病退散の舞をやってるってなんかすごいところだな宝塚。2021年の月組公演が止まらずに千秋楽まで駆け抜けられたのは演者とスタッフの努力の賜物ですが、月城さんの越天楽の力もあったのかもなぁ〜と一年振り返ってふと思った。

 

◆2月

【日記】2月は劇場にほとんどいかず映画館に入り浸っていた。とはいっても宣言下なので、映画館は20時に閉まる。私は終業時間が18時なので、退勤ダッシュで映画館に駆け込みやってる映画をとりあえず観るしかなく、劇場や作品を選り好みする余裕はない。とにかく暇なので土日も大体映画館にいた。私がよくいく映画館は引くほど客が入っておらず、平日18時以降の回はほぼ貸し切り状態、各スクリーンに人がいないどころかそもそも映画館自体に人がいないという状況で、外出したいけど他人と接触したくない私にとっては最高の娯楽施設でした!(ひどい…)

 

・(舞台)NICE WORK YOU CAN GET IT

れい華コンビの大劇場お披露目公演はちょうど公演がなくなった時期にいく予定だったので、ナイワで初めてトップスターの柚香さんをみた。

ヘラヘラしながらフラフラしてるクソ野郎の柚香さんから愛情不足の孤独男の気配を察知してでてきた瞬間大好きに…。寂しさをこじらせた依存体質の柚香ジミーとは対照的に華ビリーは一人で生きていける強さをもった女性。二人は全く違う生き方で違う人生を歩んでるんだけど、心の奥にある孤独の種類が一緒で心の深く暗いところで結ばれているようだった。ガッチガチに陰属性のトップコンビでウッワ~~~~れい華って私がめちゃくちゃ好きな二人じゃん…と気づいたときには華ちゃんは退団を発表していた。トップコンビ萌えは儚い。

原田先生はピガールもよかったけどやっぱり海外ミュージカルの潤色が素晴らしいですね!ブロードウェイ版とは違う1幕ラストの画作りは原田先生の美意識を感じられて良い。華やかで楽しい場面なんだけど、ジミーのどうしようもない悲哀も感じられてゾクゾクする場面でもあります。いつか外部でも海外ミュージカルの潤色やってほしいな~~V6坂本さんでやろうよナイワ!とかいってたら坂本さんもやったトプハの再演が柚香さんで決まってた。

 

・(お笑い)M1ツアー2021

笑いの感覚ってかなり人それぞれだし合わないと全くわからないものなので、お笑いみるのって難しいな〜〜〜と実感した現場。グランキューブという広い会場の後ろの方でみてたのもよくなかった。漫才って繊細な芸だなぁ。

 

◆3月

【日記】未来記の番人で今年初遠征。確かこの頃の東京はバチバチに緊急事態宣言がでていたのだけど、関西圏はなぜか制限が一部緩和されており(なぜ)地元と遠征先でのギャップが凄かった。かなりビビって地元を出たけど、新幹線は行き帰りとも2時間半車両内の会話が一切なくて(これはガチャ)東京は電車も街中も人が少なくてとにかく静かだし、近所の大阪に観劇いくより東京のほうが安心できるじゃん♪とか思ってた。地元では百貨店もあいてるし8時以降も飲食店があいてたのでその感覚でいたら全てが閉まっておりめちゃくちゃ困った…。

 

・(舞台)未来記の番人

今年一番通い倒した作品。演出家の初演出作品で、意欲作でした!お世辞にもよくできた作品とはいいがたいのだけど、ありとあらゆるツボに拳を叩き込まれた結果この1年で2000時間くらいは未来記の番人のことを考えてる。自分の世界を作りすぎてもはや原型を忘れた。いや~~だってさ~~~!!「忍者として育てられた異能者」「戦場で自分をかばって仲間が死んだトラウマ持ち」「親の愛を知らない天涯孤独の少年」などの中2属性を詰め込んだ役が好きな男にきたときのオタクの気持ちを考えてみてくださいよ。いくらでも観たいだろ!!!

公演前にでた雑誌のインタビューで「原作の千里丸は10代だけど流石に34歳が10代の役をやるのはきついから年齢設定を自分よりちょっと下くらいにしてもらった」みたいなことをいっていた記憶があるのですが、あの話はなんだったんだと思うくらい完璧に10代の少年でした。戸塚くんは「一人称オイラが似合うジャニーズランキング」で上位を狙えると思います。サイゾーあたりで企画しないかな?

 

・(舞台)「屋根の上のヴァイオリン弾き

ウェスタ川越で市村さんの地元凱旋公演。ウェスタ川越、初めていく会場でしたが音響が良い。特に楽器の音がよく響く。生オケだと声量がないとオケの音に負けそう(というか負けてた)演劇をやるには音が響きすぎるかもしれないけど、ヴァイオリンの音色が切なく響くこの作品をウェスタ川越で観れたのは贅沢でした。あとロビーで会場のペーパークラフトをもらった。なんだこの会場。

姉妹や恋人たちのキャストを変えながら再演されまくってる作品ですが今回が初見。屋根の上のヴァイオリン弾きってずっと屋根の上でヴァイオリンを弾く愉快なおじさんのハートフルストーリーだと思ってたけど全然違う話だった。同時期にやってた「パレード」にもつながる話で、現在進行形で起きてることにも接続しまくるのでわりとしんどい。歴史の教科書でしか知らなかった出来事を身近な友人の話のように耳を傾けられるから物語って面白いですね。重い話だけど、大傑作でした。

 

・(舞台)星組公演「ロミオとジュリエット

宝塚を観始めた頃からずっとこの公演を待ち望んでいた。トップスター・礼真琴さんによるロミオとジュリエット。観劇直前、思い入れが強すぎて逆にみれないかもと急に不安なったりしたけど想像を軽く飛び越える大正解のロミオ像でほんと生まれてきてくれてありがとうございます。役替わりティボルトも家庭環境複雑系ティボルトの瀬央さんとこじらせ純愛系ティボルトの愛ちゃんでどっちもめっちゃよかった!あと愛ちゃんの死がね!すごかったね!正二番手が死の役を演じるとこんなことになるのか。死が支配する町ヴェローナって根本から宝塚版ロミジュリの見方がかわってくんのよ。AB両パターンとも面白かったです。

 

・(映画)NationalTeaterLive フォリーズ

リーマントリロジーが盛り上がってるのをみて初めてNTLの存在を知る。フォリーズの華やかなPVに惹かれて観に行きました。取り壊しが決まった古い劇場に往年のスターたちが集まり同窓会を開くという内容で、これはもうちょっと年を重ねてからみたほうが面白いだろうな…私には早かった。いつか宝塚OGを集めて上演してほしい作品。

 

◆4月

【日記】未来記のチケットがばかばか増える。大阪の感染者数もばかばか増える。次に劇場にいけるのがいつになるかわからないから、観劇するなら今しかない!!!みたいな気分になってたなぁ…。

 

・(舞台)未来記の番人

当初は東京2公演と大阪初日・大楽しかもってなかったチケットが倍に増えとる。前提としてチケットが手に入る&劇場に行きやすい状態がないとハマるにハマれないから大阪で土日公演が2週あるのは本当に助かりました。あとこの作品は公演中にいろいろと…いろいろなことがあり、何度も演出や脚本が手直しされ、地方公演に入ってからは毎週違うものがみれたのがかなり面白かった。大阪公演も1週目と2週目で戸塚くんのアプローチが変わっていて。1週目は大阪だからかコメディ色が強かったけど、2週目はエモい感じになってて最終的にすごく好みのものがみれた。よすぎて10日の11時公演の幕間にチケットカウンターにいって15時公演のチケット買ったもんな。11日の朝も観とけばよかった…【日記】

 

・(舞台)アウグストゥス/CoolBeast!!

トップ娘役の華ちゃんと花組男役の柱・瀬戸かずやさんの退団公演。お互いに触れあうこともないまま静かに心を通わせ合うオクタヴィウスとポンペイアはプラトニック極まれりな関係性で、田淵先生ってほんと変態だな。

ショーはれい華が通し役みたいに登場するのがたまらん。この二人が作り出す繊細でやわらかい関係性が好きだーーーーーーーーー!

 

・(舞台)M&Oplayプロデュース「白昼夢」

土日祝の劇場が閉まる直前にみた作品。みることができてよかった本当に。中高年の引きこもり男性と高齢の父親、二人に寄り添うソーシャルワーカーと自分の家庭をもち家をでた長男の5人が送る春夏秋冬。ただ8050問題を扱った作品ってわけではなく、どこにでもある人間の心の暗部が親密に鮮明に描かれていて、悪趣味なだけじゃなく、切実な優しさも感じられてすっごいよかった…。

引きこもりの弟が虫歯が痛いけど歯医者には行きたくないから奥歯に正露丸を詰めてやり過ごそうとする場面。床にはいつくばって正露丸を探す愚かな弟の姿をみて長男の張りつめていた糸がぷつんと切れる。部外者からすると滑稽で笑っちゃうような行動だけど身内からすると耐えきれないものがあるのもちょっとわかる。日常と非日常の境界で父親が絞り出した言葉が切実で、本当にそうとしかいえない。これが今の精一杯だといえる言葉で、胸が詰まった。

部外者に悟らせないだけで、こういう事件がおこりそうでおこらないギリギリの日常ってすぐ隣で起きてることなんだろうなぁ。

 

・(ライビュ)エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャルガラコンサート

 フルコスチューム 14年花組ver

私の親エリザこと14年花組エリザ。加えてみり花乃のファンでもあるのでこの組み合わせは必見!ほんとにみてよかった。この配役を組んでくれた人ありがとう。このような「いつか辿りつくところ」もあるのだなぁ…。役と役者の物語が混ざり合う複雑さが宝塚の面白さだけど、それの究極形の一つがこの公演の「愛のテーマ」ですね。

 

◆5月

【日記】3月に東京に先んじて宣言解除して案の定4月に感染者が爆増した大阪が独自の緊急事態宣言をだして劇場が土日祝だけ閉まる事態に。カレンダー通りに働いている私のチケットは紙切れになってしまいましたとさ。M!劇場でみたかったぁ…。あっ5月はスリルミーの配信をみました!オタクのプレゼン合戦と実況と配信後の感想の量が祭!という感じでめっちゃ楽しかった!!!

 

◆6月

【日記】まだまだ大阪は土日祝の公演ができない状況ですが、宝塚は兵庫県なのでバリバリ公演中!名古屋のコンサートはグループ毎に1席あいてたけど最前列まで客が入ってるのを久しぶりにみた。地域や主催で感染対策に差異がだいぶあるので困惑する。

 

・(コンサート)A.B.C-Z 2021 But Fan Key Tour

今年は新しいアルバムが出なかったので、コンサートも既存曲で構成されている。今までセトリ漏れしてきた楽曲をすくいあげてるからちゃんと新鮮味もありつつ、定番化してる曲はアレンジしてダンサブルにしたり、がっつりアクロが組まれてる曲を久しぶりにフルで披露したりピアノ弾き語りやコンテンポラリーダンスなどを盛り込み終始ステージに集中させる作りになっててとても楽しめた!

感染対策で客席降りができないから手拍子やダンス、ペンライトを使って客席と遊んだり、2階3階にいけないから縦に長いタワー状のセットを使って楽しませたりとホスピタリティがすごい。改めて文章にすると女児現場か?ってくらいの公平な演出…。

名古屋の初日はタワーのセットがかなり前にせり出しており、クライマックスで飛び散る火花が最前列の客にかかりそうになっててヒヤヒヤした。そのあとの公演は奥にひっこんでて笑ったけど、あれは舞台ギリギリまで前にでてたほうが面白い装置なのでもったいない。客席潰してでも前にだしてほしかったなー。

 

・(舞台)桜嵐記/DreamChaser

珠城りょうさんと美園さくらさんのトップコンビ退団公演です。正行のいう「大きい流れ」は新陳代謝を繰り返す宝塚のシステムとも重なる部分があり、受け取る人にとって自分の気持ちのいい解釈をできる曖昧さが素晴らしい言葉選び。これぞ退団公演!という鮮烈なラストシーンは吉野の桜と抜けるような青色が晴れやかで、弁内侍同様退団者ファンにもこの画を一生忘れられなくしてやるからなという上田先生の気概を感じる画力でした。来年の春、武庫川の桜をみたらこの作品のことを思い出すんだろうか。

DCもよかった。私はもともと中村A先生の凡庸な演出が退屈で苦手だったのですが、今の充実した月組だと凡庸さは王道になりいいところしか残らないな。大きな月の下、湖の上で踊るようなロマンチックなデュエットダンスも大好き。衣装も切り替えやちょっとした布使いがかわいくて全部好きだったなー。

 

・(舞台)シャーロックホームズ-The Game Is Afoot!-/Delicieux!-甘美なるパリ-

みんなに騙されてるキキモリアーティがなんか可哀想で面白かったことと大所帯のカンカンの場面が大迫力で感動した!あんまり覚えてないけどすごい楽しい公演でした。

 

◆7月

【日記】ワクチンを打った数時間後にロミジュリを観たのですが、1幕の世界の王で感動して爆泣き、気持ちが高まり集中力MAXになった直後に突然の睡魔。つまんない舞台で船をこぐことはあっても好きな演目の好きな場面で最高の芝居をみてるときに睡魔が襲ってくるとかありえないのでこれは間違いなく副反応のせい!ワクチン打ったあとに観劇しないほうがいいです(当たり前体操)

 

・(舞台)CLUBSEVENZEROⅢ

吉野さんがダンサーらしいことは聞いていたのですが、実際にバシバシに踊る姿をはじめてみてトキメキがとまらない。なんかあんまり記憶がないのですが、後輩の娘役が出演していようと御贔屓様がお姫様をやっていて大変かわいかったです。風ちゃん心強すぎた。

 

・(舞台)ロミオ&ジュリエット

今回は珍しく全キャストみれた!表現の一つ一つが丁寧なまりおロミオ、でっかい赤ちゃん犬甲斐ロミオ、ちゃんと上手い伊原ジュリエット、お嬢様が板につきまくってる天翔ジュリエット、運命の重さに泣かされる吉田ティボルト、恋する悪の王子様立石ティボルト、仲間思いでお調子者の味方ベンヴォーリオ、優等生気質のモラトリアムヤンキー前田ベンヴォーリオ、チャラくて危ない新里マーキューシオ、大公の甥感が強い大久保マーキューシオ、みんなよかった!!既読スルーまでの流れがブラッシュアップされてかなりみやすくなってたり、笑ってはいけないどうやって伝えようもそこまで面白くなくてよかったです!(そもそもあの演出がいらないのでは?)

 

・(舞台)フェイクスピア

愚か者なのでなんの事件を扱っている調べてからみにいってしまった。クソバカ。ただ最初からなんの話をしているかわかっててもクライマックスのあのシーンは十分精神をかき乱される。で、観劇後、事故自体は知ってるけど実際の音声ってきいたことないなぁと思って調べたら綺麗な音声があったので布団の中で30分しっかり聞いてしまった。そして実際の音声が衝撃的すぎて舞台の声が全く思い出せなくなるという…。順番が逆だったらよかったのに。作品との向き合い方を悉く間違えている……。

 

・(舞台)CuttingEdgeKYOGEN

狂言師狂言の世界でコントをやるという企画公演。狂言ちょっとみてみたいな~と思ってたときに告知をみて会場近いし値段手ごろだしみてみよ!!とフラッといったのですがこの公演は狂言の知識があったほうが面白い(それはそう)私は狂言の台詞回しや衣装に興味があったので、そのへんは存分に楽しめる公演でした。IPhone狂言の衣装で表現するとああなるんだ~とか。

 

◆8月

【日記】東京オリンピックがおわり、いよいよ感染状況が地獄の様相に…。劇場を開けられなかった昨年とは違い一応公演はできるのだけど、稽古場や板の上で感染者や濃厚接触者がでてきて中止にせざるを得ない作品が続々とでてくる。板の上でマスクをできずに大声を出す役者の感染リスクは高く、公演中に一人感染すれば感染力の強いデルタ株が座組全体に広がっていく。舞台人、大変すぎ…………。そんな中で逃げ恥朗読劇のチケットを払い戻した。中止になった公演は数あれどやってる公演を自ら払い戻しするのは初めてで、レターパックの宛名を書きながら涙がでてきた。ただその翌週に開幕したフォーティンブラスはちゃっかりみにいってるという。2回目のワクチン接種後二週間経過したんでね!?ヘルタウン渋谷でホテルと劇場を往復するだけの遠征、作品がつまんなかったら心折れてたのでちゃんと面白くてよかったです…本当に……。

 

・(舞台)テニミュ4th不動峰

令和のテニスの王子様テニミュ特有のダ…泥臭さや熱さが薄いのは寂しいんだけど、荒井たち2年生や、本編で青学と対戦しない学校の心理描写も掘り下げていて、これまでスポットが当たらなかった敗者の思いまで細かくひろい上げようとするのが今っぽい。これまで以上に「中学テニス部」を描くことに意識的でかなり部活動してた。このテイストでずっと続けていけるなら4thシーズンは特別なものになるよ!絶対に途中で日和って平成に逆戻りしないでほしい。でも過去の名曲はつかってほしい。

 

・(舞台)フォーティンブラス

これほどまでに戸塚くんの芝居が馴染む座組があっただろうか。全体的に早口だったからかなぁ。柿食う客の劇団員やつかこうへい作品によくでてる方がたくさん出演してていつもやってるような舞台と雰囲気が違ってたんですが、こういう座組なら馴染むのか…。

 

◆9月

【日記】戸塚くんがWOWOWドラマに出演するので加入した。斎藤刑事、いい役でしたね!今年の戸塚くんはワンモア・密告はうたう・凛子さんはシてみたいと映像でのお芝居の仕事も多かった*1けど、この中だと斎藤くんが一番好きな役だなぁ。本編スタート時には死んでるのに登場人物みんなが斎藤くんのことを心に留めていて、トーマの心臓のトーマみたい。密告はうたうはオッサンだらけのトーマの心臓です。

 

・(舞台)ジェイミー

曲が良すぎる。日本版のサントラ売ってくれ!(切実)18歳の誕生日に母親がくれた赤いハイヒールをきっかけに自分を解放する男の子の物語。明るくて前向きで元気と勇気をもらえる素敵なミュージカルでした。プリティの部屋の場面が大好き。

 

・(舞台)雪組公演 CITYHUNTER/FireFiver!

斎藤先生は本当にシティハンターおよび北条司ワールドが好きなんだな…と圧倒された雪組CH。大量の人物を動かしながら原作のストーリーもふまえつつアニメ版のお約束もおさえつつ宝塚らしさもありつつ…ってかなりの離れ業をやり遂げていてすごすぎる。

原作だと槇村兄推しなので自然と綾凰華さん演じる槇村兄を目で追ってたんですがもうッッたまらんッッッ!!!!斎藤先生ありがとう綾凰華さんありがとう!!!!!!!!槇村兄は原作の序盤で退場する人物で舞台でも早々に死んじゃうんですが、今回の雪組公演では死後も幽霊として冴羽や香を見守り続ける演出になっている。さらに綾凰華さんの槇村兄像が素晴らしくて~~ゆる~いかわいらしさもありつつ哀愁が漂う大人の背中、優しいまなざしから妹やパートナーへの愛の深さを感じさせて、槇村兄という人物に真剣に向き合って素敵に演じてくださって本当にありがとうございましたと五体投地したい気持ちに…。

FFは稲葉ショーらしい奇祭でしたね。CHの突飛さで忘れてたけどさききわお披露目公演だよ!おめでとう!!咲ちゃんはスタイリッシュだけど暑苦しいくらい熱いっていう両極端な魅力があるところが面白くて、なんか今までみたことないタイプのトップスターだな…と物珍しい目でみてしまった。朝月さんはずっと私が夢想するかわいらしさを体現してくれる娘役さんで、この人を大劇場のセンターのとなりでみれるなんて、え…夢?指先の動き、腕の角度、スカートの裾捌き、腰の位置、視線の動かし方、どれをとっても理想の画で決まっており、やはり私の夢なのでは?朝月さん…。お披露目から信頼関係が出来上がっているコンビで、爽やかで気持ちのいいさききわ。次回作楽しみだな~。

 

・(配信)少年社中・DROP

朝起きるたびに記憶をなくしている女と一緒に住んで世話を焼く女友達っていう女二人が大好きな人がみんな大好きなシチュエーションに最悪な落ちがついたのでめちゃくちゃ印象に残ってる。

 

・(映画)4DXモンテクリスト伯

ミュージカルを4DXでみるという大変興味深い謎イベント。モンテクリスト伯は船の上にいることが多いのでめちゃくちゃ濡れる。あとすごい揺れる。4DX演出は潮風や水しぶきなど劇中のシチュエーションにそった効果と楽曲の拍にあわせた効果の2種類がある感じ。しかし韓国ミュージカルはいろんなことに挑戦しててすごいなぁ。

 

◆10月

【日記】10月に入りようやく宣言が解除されて、映画館のレイトショーが復活した!ちょうど10月1日がノー・タイム・トゥ・ダイの公開日で、夜の映画館に人がいっぱいいて嬉し~~~~~~!!!!007の盛り上がりを後目に私はレミニセンスをみました。

 

・(舞台)星組公演 柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!

2021年上半期は未来記に下半期は柳生に通う。2021年、江戸初期づいている…。柳生忍法帖は原作のエログロバイオレンスを清く正しく美しく脚色し、女性のための爽やかなヒーローものになっていて大野先生の手腕が光る。モアダンは名作の再演ショーだけど構成がさらにパワーアップしてて、齢80を超えてなおまだまだ新しい最高傑作を作っていく気満々の岡田先生心強すぎです!!

初見時はテンプテーションからのアシナヨで礼真琴さんと愛ちゃんにちえてるの幻覚をみてしまい狼狽、ちゃんと愛ちゃんをお見送りしたい!と再度劇場に足を運んだのが運のつき。孫兵衛ちゃんに気付いてしまった…。孫兵衛ちゃんは退場が切ないくらい早いので、久しぶりに登場からはけるまで個人をオペラで見続けるっていう鑑賞スタイルで宝塚をみました。これこれ~!!(危険な兆候)

 

・(舞台)キルミーアゲイン

数年ぶりにみた真田佑馬くんは人魚でした。元気そうでなによりです。

劇中で実際におこった事故を当事者たちが演劇作品に昇華するという展開があって、7月の話題作「ルックバック」のときにちょっと指摘されてた実際にあった事件をフィクションに利用することの問題を思い出しながらみた。「ルックバック」もだけど「フェイクスピア」や「キャラクター」なんかもね。

 

・(配信)雪組CH新公

新人公演とかいう選ばれしオタクしかみれないプレミア公演が配信でみられるんですか!?コロナ禍で苦境に立たされながら新しい販路を開拓していく宝塚歌劇団の商魂たくましいな。ハッシュタグ愛してるよ宝塚歌劇団。CH、役いっぱいでいい公演だ~!縣くんのパーッとした華やかさは心躍りますね。蒼波さんの北尾警視正、悪人の芝居がうますぎる。

 

◆11月

【日記】夜公演のあと劇場付近の喫茶店に入ってコーヒーをのみながらお芝居のことを考えてるとき、この感じすごい懐かしいなぁやっと私の日常がかえってきたんだな~~としみじみ嬉しくなった。いやまだまだ大変ですけどねっ?!夜公演後の町の灯も夜の喫茶店の落ち着きもじわじわ広がっていくお芝居の余韻も全部大切。

 

・(舞台)いのち知らず

私は男の友情が仕事やら女性関係やら外部の要因で瓦解していく様が三度の飯より好きなのでかなり楽しかったです。

 

・(舞台)OctoberSky

冷戦期のアメリカの炭鉱町でロシアのロケットに魅了された少年が宇宙を目指してロケットを作ったりする青春理科実験ミュージカル。炭鉱町で夢を追うと炭鉱夫の父親とぶつかりがちですが、この作品では炭鉱夫の父親が固執する男らしさがバラバラにされてしまうのが面白かった。

甲斐くん、夏にロミオでみたときよりさらにうまくなってる気がする。お久しぶりのあらんちゃんはちいこくてかわいかったです。詩人になる夢を諦めながら詩を書くことをやめなったねねちゃん先生の曲がよかった。宝物にします。

 

・(配信)All For Love

愛月ひかるさんのディナーショー。もうね、タイトル通りですよね。すべては愛のために。愛尽くし。宝塚歌劇の豊富な楽曲を使ってあらゆる角度から愛を表現する。生粋の宝塚ファンだから組める幅広く深い選曲で、このDSで宝塚歌劇の面白さをさらに深く知れた気がする。

私は凰稀さんのファンなので、アム99でもやった愛!の黒燕尾からこの愛よ永遠にのデュエダンをみられたことが本当に嬉しくて。凰稀さんが与えたものが愛ちゃんの一部になって、愛ちゃんが宝塚に与えたものが現役生の一部になって、そうやって私の愛したものが永遠に続いていくんだなぁと壮大な時間の中に身を置いていることを実感しました。いろんな思い出があふれ出してたまらない気持ちになった。愛ちゃんありがとうねえ。

 

・(配信)舞台 魔法使いの約束 第2章

もりたや久々の2.5舞台だやった~~!と大喜びして原作ゲームの本編を履修したのが仇となった感。3部構成の2部だから原作のどこまでをやるのかあたりをつけられなくて終わりがみえなくて疲れた。何より原作ゲームで描かれるテーマを掘り下げずにキャラクターのやりとりや物語をただなぞっているだけのように思えたので、キャラにあんまり思い入れがないとちょっときつい…。やっぱ2.5舞台ってみるのむずいわ!!

 

◆12月

【日記】遠征後久しぶりに夜行バスで関西に戻る。大阪での観劇の前に京都にいく予定があって、朝から京都までいくの絶対めんどくさいでしょってことで勝手に目的地に運んでいってくれる夜行バスはありがたい。朝の五時半頃にバスから降りて、途中銭湯にはいったりしながら京都駅から蹴上まで歩いたよ。冬の京都は寒いけど、澄んだ空気は気持ちいいし、早朝の陽の光は豊かで、川には水鳥がたくさん、道行く人がおのおのの時間を楽しんでいて、目に映るもの肌で感じるもの全部が綺麗。幸せだ…。まぁ風邪ひかなくてよかったねって話です。(本当にただの日記だ…)

 

・(舞台)花組公演 元禄バロックロック/TheFascination!

み、三井住友VISAカードシアターーー!!!スポンサーの存在と金の有難さを感じた。衣装もセットもずっと豪華で終始ビジュアルが強い!元禄バロックロックでタカヤのほうの谷作品を初めてみたんですが、設定も話運びもラノベみたいだった。オタクが好きな軽めのタイムリープSF。あの落ちとかラノベすぎん?オタクがコソコソ楽しんでる世界観が宝塚大劇場で実現しててなんかビビっちゃった。私もオタクだから当然あの感じは好きなんですが…なんか…こっちの趣味につき合わせちゃってすいませんみたいな気分になるよね(自意識過剰オタク)

ファシネもよかった!芝居の中の台詞に「古いものも新しいものもどっちも必要じゃ!(意訳)」的な台詞があったけど、このショーの構成もその台詞の通りで。柚香さんという現代的なトップスターが率いる2021年の花組が1988年のピアノファンタジーを再演している。現代でも色褪せずに観客を魅了する名場面のパワーは古いからって切り捨てられるもんじゃないですね。新しいものをどんどん取り込みながら古いものも大切に継承し続ける宝塚歌劇団のよさが詰まった二本立てでした。

 

・(舞台)オリバー!

花組公演に続きめちゃくちゃ豪華な舞台をみた!天井まである大がかりなセットが次から次へと転換する!犬や炎など扱いにくそうなものも本物を使うこだわりぶり。ヴィクトリア朝時代のイギリスの光と闇を表現した素晴らしい美術!物語自体は身もふたもないし冗長だなー古いなーと感じることもあるけどやっぱり人間ドラマが面白いんですよね。子供おじさんフェイギンの悲哀は身につまされるし、ビルとナンシーの関係は想像が膨らむし、なにより子どもたちがみんな生き生きとしているのがよかった。客席にも子どもとステージママっぽい人たちが多くて、この作品が子どもたちのモチベーションになってるのならとても意義深いことだなぁ。

 

・(舞台)ジャニーズ伝説2021

2021年も元気いっぱいジャニーズ伝説2019の悪口を言い続ける粘着アンチ、開演15分でみるみるうちに魂を浄化される。精神が洗剤のCMみたいになってた。頑固な油汚れがサッと拭くだけでこの通り!サッパリピカピカ!ここまで綺麗になるなんて、2年間心の垢を溜めまくった甲斐があるね!(不毛)

2017年版を1幕にした2018年版をベースに初演の場面や2019年版の「未来」というテーマを盛り込んで再構成したジャニーズ伝説2021。ジャニーズはもちろんミュージカルや映画も巻き込んだリスペクト演出が素晴らしくてほんとによかったのでそのうち感想ブログを…書きます…書けたら………………

 

・(舞台)MOTHERLAND

実質劇場納め。なんか…よくわかんないけど………語尾にハートマークをつけて煽り散らし舞うように鮮やかに剣を振るう作中最強女将軍グレートマザー項燕さま最高!!!!ごちそうさまでした!!!!!!

 

・(配信)星組柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!(千秋楽)

通った作品の大楽はみたいよねってことで配信で視聴。もうね~~礼真琴さんの男役ぶりが極まっててどこまで高みに行くんだ礼真琴さん!?ここまで大人の色気を放出しまくった次の公演がぶりぶりスイートショタのルーチェたんとか一体どういうことなんだ礼真琴さん????!!!2022年も礼真琴さんのふり幅の広さに振り回されたいです。

愛ちゃんもね、ムラ公演時から白く光り輝いてたけど、大千秋楽ともなると人外の域に達していたね。ゴールデンデイズで五感がめちゃくちゃになりました。画面越しに劇場空間に満ちた光を体感させられた。愛ちゃんの存在が世界を照らしているよ…。

そしてサヨナラショーの構成の見事さ。DSも素晴らしかったけど、サヨナラショーはよりコンパクトにインパクトが強くなっててほんとセンスが良すぎませんかこの人。「幸せの鐘のなる日」で今日という日をしっかりと実感させられ、大階段センターの黒燕尾で泣かされ、退団者場面がブケタカなのも愛らしすぎるし、うたかたの恋の冒頭の大階段の場面を轟く二発の銃声までしっかりやりぬくショッキング演出で情緒を叩き落とされた直後にYouAreMySunshineでハチャメチャ楽しくさせらてしまいそのままハイになった状態でバンバンバンババババババンで「スターは必ず蘇る!」終幕ですよ。いや演出神すぎn!?!???興奮で読点が打てんのよ。

 

・(映画)NationalTeaterLive 夜中に犬に起こった奇妙な事件

映画納め。夜中犬の上映権が今年いっぱいで切れるということで、普段NTLをやっていない地元映画館で上映してくれた。助かる。アスペルガー症候群の少年と機能不全家族を描いた作品で、とにかく美術がユニーク。舞台の床面には方眼模様が描かれており、主人公は方眼にそって動く。想像することが難しい他者が生きる世界が簡潔にわかりやすく描かれていて、主人公の心の内にすんなりと入っていける。シンプルなセットだけど、発光ダイオードプロジェクションマッピングの演出が巧みでおもしろかった。

 

 

今年は例年よりいっぱいみてるんじゃない!?いつも数えてないからわからん。

*1:ワンモアと密告はうたうは2020年に撮影を終えてる